4月は今後の景気後退懸念と利上げの効果判定(インフレの進捗状況と雇用者数の変化)、それを見てFRBが利上げを継続するのかどうかが焦点となり、月の前半に集中した経済指標の結果に左右される形となったがいずれもレンジ。(↓わざわざ行ったり来たりしてるだけの値動きの背景をまとめてます)
1週目
3日発表のISM製造業景況指数、4日発表JOLTS求人件数では予想値下振れの結果が利上げ観測となりbadnews is goodnewsの相関、ドル安株高の値動きとなった。しかし、5日発表のADP雇用者数並びにISM非製造業景況指数の予想値からの大幅な下振れは、さすがに楽観的な見方はされず景気後退懸念が強まりクロス円が大きく下落、各クロス円の最安値は5日に今月の最安値を付けた。続く6日は米新規失業保険申請件数が予想値を上振れ(失業者が多い)するも、ここでは昨日とは一転、badnews is goodnewsの値動き(FRBメンバーのブラード総裁(タカ派)が最近の銀行不安に対しての安心感をもたらす発言があり、翌7日の雇用統計と7日〜10日の海外がイースターで祝日に入る前の決済のフローが入ったことも要因と考える)。注目の8日発表雇用統計ではまさかの好結果、予想値よりは僅かな上振れだったが、今まで悪い経済指標の結果が立て続けに続いていた中ではサプライズ要素があり、株と金利の上昇、円安の値動き(これは今週までの巻き戻しの範疇)となった。
2週目 (主にリスクオンの値動きの背景)
10日海外が祝日の中、日銀の植田総裁の就任会見。ここでは今年注目されているYCC、これを継続するとの発言がありYCCの撤廃を期待しての円高ポジションは巻き戻し笑。先週の雇用統計の結果を改めて折り込むドル高の流れもあり、ドル円クロス円は爆騰。11日はCPIを控えてそのままドル安円安とリスクオンの値動きが続き、12日CPIではほぼ予想値と一致の結果。これによりインフレはまあ落ち着いてきているということで金利低下のドル安。13日発表のPPIの予想値下振れ(企業の仕入れ値が下がっている)ことがインフレ後退、加えて午前中に発表のオーストラリア雇用者数の予想値大幅の上振れもありかなり強いリスクオンの値動き(オセアニア通貨はリスクオンの時に大きく買われる)。14日は21:30小売売上高が予想値より低下、これを見て発表直後は一時的にドル安となるが、小幅な減少にとどまったためかその後ドルが買い戻されドル高、23:00発表のミシガン大学消費者信頼感指数の上振れによりインフレへの期待値がまだ高い事が示唆され、そのままドル高に突っ切る形で週末を終えた。

今後の展望
4月入り時点でのドル円の下落材料としては、米経済指標結果による利上げの据え置き、ないしは利下げ観測。および日銀のYCCの撤廃の期待値であったが、いずれの材料もなし。JPモルガンの好決算等、利上げによって一番不安要素の強かった銀行が逆に利上げの恩恵を受けいてたこともあり、一旦銀行不安に起因するリスクオフは遠のいたと考える。また、この結果から5月の利上げは硬く、ECBの徹底した利上げ発言があることからも短期的にはドル高欧州高円安の地合い。ドル円は日足200EMAでレジスタンスされているため安易にロングはしたくないが、抜いた場合の上値余地は61.8%水準とボリンジャーバンド+3シグマ、一目均衡表雲の上限付近の134.72円水準。4月28日(日銀植田総裁の初会合)にこの水準で揉み合っていた場合はショートも検討。10日の時点でYCCの撤廃がないと言っているがYCCの撤廃が基本的にはサプライズでの仕掛けだとすると伏線とも取れる(前黒田総裁会見後の為替介入参照)。普通に『YCC撤廃?そんなことしませんよ』みたいなことも十分あり得るので、ギャンブル性が高くなっている局面では様子見。ドルストレート、クロス円もそれぞれ週足レベルでボリンジャーバンドがスクイーズしてきているので3週目の前半は小動き。4週目ぐらいから溜めたエネルギーを爆発させて本流入りしそうなので引き続き警戒。ファンダ的にリスクオフに警戒しながらもテクニカル的にはクロス円は上昇機運高め、かといってドル高が長く続くとも考えにくい。正直材料難笑。対ドル、対円どちらもユーロは強いが、今週続く欧州圏の指標発表後、この流れが続くのかに注目。
Fundamental AnalysisTrend Analysis

يعمل أيضًا:

منشورات ذات صلة

إخلاء المسؤولية