٦ يونيو ٢٠٢٢
先日米国の大暴落はバブルの崩壊なのかという記事を書いた。 その記事を書いた理由は、昨年末ギリギリまだ伸びていた時点で、米国株をそこそこな量を購入してしまい、現実を受け入れたくない執念で分析したためである。せっかく調べたなら自戒を込めて残しておこうと。 その記事では自らバブル崩壊と認める内容を記したが、ネガティブな話だけでは悲しいので自分への慰めのために別テーマでポジティブな分析もやってみたためここに記す。 「今後伸びる国はどこか」 GLOBAL NOTEというサイトで各国の名目GDP推移をcsvデータで無料ダウンロードできる。※その他は有料。 (その分析画像も見せたかったがTrading viewの無料会員ではリンク添付できなかったので割愛) GDP上位100か国までのデータをもとに、1990年から2020年までの30年で最も伸びていた国を抽出した。 GDPだけの観点から期待を感じた国は次の2か国。 ①インド(2021年GDP:6位) 30年成長率:8.1倍 現GDPのTop10のうち、中国に次ぐ2番目の伸びを記録。 ※Top100の中での成長率は22位。カタールやイランなど中東の現GDP絶対値が小さい国の方が成長率では上にくる。 ※中国の成長率は37倍。上位100か国のうち2位。 ②ベトナム(2021年GDP:41位) 30年成長率:驚異の42倍! 意外にも上位100か国の中で1番の成長率。 チャートではこれらの国の名目GD(細線)および代表指数(太線)をUSドル単位で表示している。 参考としてGDP上位3か国(米・日・中)も載せている。 なお縦軸はともにログスケールである。 ここでログスケール(対数軸)での有用性について言及しておきたい。 文系大学はわからないが、少なくとも理系大学では科学実験で対数目盛のグラフを書いたことがあるだろう。 そのグラフの特徴は倍々(切り悪く1.3倍ずつとかでもよい)で増えていくものを描くと直線になる。 例えば基準値AがX倍ずつ増えていく場合、リニアスケール(線形軸)で描くとA^Xのグラフとなり急激に増えてよくわからなくなる。 これがログスケールではlog(A^x)=XlogA(logAは定数)となるため、中学で習った一次関数y=axのように直線で描けるようになる。 この特徴を踏まえてグラフを見てみると多くの国がおおよそ一定の年率で成長していることが分かる。(※日本を除く) このグラフで重要なのはその傾きであり、絶対値は気にしなくてよい。絶対値だけをリニアスケールで見ていたら、右縦軸の値を見ていただくと分かる通りベトナムのGDPはまだ他と比べて桁で小さく、底を這いつくばうようなグラフとなり成長力に気づくことができない。 また投資で利益を得るために重要なのは絶対値で何$増えたかではなく、その比率[%]である。ログスケールでは傾きがそのまま年率を表しているため、絶対値に惑わされることなく成長率を俯瞰できる。 中国は政策リスクを感じつつ、上海総合指数的には2006年ごろから続く三角持ち合いを上に越えるかが注目される。 これは言わずもがなとして、インド指数代表のNIFTY50はすでに同時期から始まる持ち合いを上にブレイクアウトした感がある。NFインド株ETF(1678)やADR(米国預託証券)もあるので漁ってみてもいいかもしれない。 一方、残念ながらベトナム指数は長期のものが見つからず、私が調べた範囲ではまだあまりいい商品もなかった。だが今のGDP成長率が維持される限り十数年後には何かしらの商品が出てくるであろう。なお現時点でもSBI証券ではベトナム株を「ドン建て」買えるらしい(ドルではなくてドン!)。ADRもまだない模様。残念。 インドGDPは今のペースでいけば日本の呆れるほど横ばいのGDPを2030年頃には超えるだろう。(ウォルト・ディズニーの「現状維持は後退である」という言葉が思い起こされる。) 同様にベトナムGDPも今のまま伸びれば2040年代頃には日本に肩を並べそうである。ベトナムの都市のひとつ、ホーチミンの画像をググると、その栄えっぷりに今までのトゥクトゥクのイメージが覆される。 GDPと違い株価は結局は人の感情で動く。それが伸びるには何かが何かを超えた!のような話題は参考にされやすい。そのため日本越えは良い餌となるだろう、というポジティブな話で締めくくりたい。